2022年5月21・22日、全5回のみ開催された大阪・吹田機関区の撮影会。
1分も経たずに完売し、以降の開催はなく、もはや伝説となっている。
私は幸運にもこのプラチナチケットを手に入れることができた。

施設内に立入るためヘルメットが貸与され、時刻票を模したスケジュールも配られた。

ライトを煌々と照らし、誇らしげに並ぶ機関車たちが見えたときに涙が出た。

撮影会の主役は、この時現役を終えようとしていた「EF66 27」号機。

個人的には、この斜めからの角度が一番格好良いと思う。

そしてついに「惜別」と記されたヘッドマークが取り付けられた。

これまで引退は明言されてこなかったがそれを実感し、また涙が出た。

左の2機は後から製造された100番台で、同じ形式とは思えないほど姿が異なる。

誘導を受けながらゆっくりと前へ移動を始めた。

あたかもこれから最後の仕業へ向かうようである。

これだけの巨体を繊細に操縦して決められた位置にピタリと停めた。

どれだけの機関士がこの機関車のハンドルを握ってきたのであろうか。

並んでみると、後輩にもそのデザインの意匠が受け継がれているように見える。

立体感のある前頭部のデザインは、それまでの箱型の機関車とは一線を画すものだった。

反対側は屋根上の冷風装置(銀の箱)が取り外され、オリジナルに近い姿となった。

撮影会も終盤になり、触ることができる距離まで近づくことが許された。

最後に目いっぱい近づいて、このカットを撮影してお別れの時間となった。

機関区の皆さんの機関車への愛情をたっぷりと感じた、素晴らしい撮影会だった。
願わくば、もう一度この機関車に逢いたいと思う。
撮影:2022.5